Kabe no Mirai

壁の未来

建築をデザインしていると「狭い場所をいかに工夫して活用するか」という空間への価値観と対峙する日々が続く。そんな中で近年徐々に「壁における機能性」について変化し始めていると感じる。

ではどう変わってきたのか?というと、21世紀に入り「装飾性」以上に「機能性」への関心が高まってきたのだ。
そもそも壁の機能というものは「外気の寒暖さから身を守る」、「雨風から守る」、「生活スタイルを守る」、又は「活動を守る」というもので、室内における壁というものは、各々の部屋を仕切るなど、視覚的、または心理的な区分けの要因が大きく作用していた。

今はまさに「ただの壁」ということに飽き足らず、何かの役に立つ壁が良いとする機能的な面を望む方々が増えた一方、視覚的にも気分的に変えたいという内発的欲求の度合いが大きく叶えられる時代がやってきたのだと感じる。こうして心理的に生まれる「パズルのように変えたい」という欲求への高まりをどう私たちはとらえることができるか。

これらの問いに対してより大切なことが一つある。それは「本物の素材」というものの体験が一般ユーザーには必要と考えている。

つまり壁紙を貼り込んだ加工物に慣れ親しんできたものの一方、自然素材の良さにも気付きはじめ、こうした管理の大変な自然素材が自由自在に取り換え可能にできたならどれだけ素晴らしい空間が生まれるだろうと考えていた。それが「イデコ」である。つまり従来のタイルや自然素材壁をマグネット加工したことで脱着可能となり、いつでも職人いらずに交換可能となった。

一般ユーザーは、これまでその機能性という部分に対して強い要望を持たなかったが、時代が前に進むにつれて、室内にもより多くの機能性を求め始めてきたのが大きな時代の変化かもしれない。

イデコにおいては、従来のタイルを気分に合わせて交換可能にしたこと。そして自然的空間を簡単に四季に合わせて交換可能にしてくれたという画期的なプロダクトなのである。
なんの変哲もない壁を一変して、石を配したり、時には、自然素材に変えて、調質性能を持たせたりと十分に機能させることを実現したプロダクトこそがイデコの真骨頂だ。 私たちの2018年は、まさに「職人いらずの壁タイル元年」として始動した。

金子 敏春

Toshiharu KANEKO

建築家・空間デザイナー
グローバルストーンマテリアル
株式会社取締役

クリップから美術館までデザインする

1972年、東京都生まれ。創業70年の鞄縫製職人三代目として期待を受けながら、建築家の道に進む 、大学では都市計画を専攻。07年、鎌倉文学館展示計画でグッドデザイン賞の注目を 浴び全国600を超える文学館展示指標となる。公共空間設計を中心に、美術館、医院デザイン設計 を展開。13年、「食は世界中の人をつなぐ」という理念のもと、ナチュラルチーズをテーマにした教育機関「ザ・チーズルーム」を創業。チーズの専門家(フロマジェ)世界一を決める大会にに挑戦した村瀬美幸氏のトレーナーに就き、東洋人初の世界一へと導く。16年、スイスで行われたスイスチーズアワードではスイス・ナチュラルチーズ最高審査員を務める。

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